失われた8年 2017 7 9
7月4日に北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を受けて、
アメリカからは、「同盟国を守る」という趣旨の発表がありましたが、
もはや、そういう段階を通り越して、「アメリカの危機」になっているのです。
オバマ政権の8年間、アメリカは、北朝鮮に対して、
「戦略的忍耐」という「見て見ぬふり政策」を取ってきました。
これは、北朝鮮がミサイル開発をすれば、
日本に対して、ミサイル防衛システムが販売できるという思惑があったのでしょうが、
ここに大きな勘違いがあったのです。
実は、日本を標的とした弾道ミサイルは、とっくの昔に完成していて、
ここ数年は、アメリカを標的としたミサイル開発をしてきたのです。
にもかかわらず、オバマ政権は、「戦略的忍耐」でした。
そういうわけで、オバマ政権は、「平和ボケ」していたと言ってよいでしょう。
さて、中国もロシアも、北朝鮮に対して、
同じように「見て見ぬふり政策」をしてきたのは、
オバマ政権のように「平和ボケ」をしていたわけではありません。
中国もロシアも、北朝鮮がアメリカを標的とするミサイルを開発するのを見て、
「実に好都合だ」と思ったからです。
さすがに、北朝鮮に「もっとやれ」と言うわけにはいかないので、
中国もロシアも、「戦略的忍耐」という「見て見ぬふり政策」を取ってきました。
要するに、オバマ政権の「戦略的忍耐」という政策と、
中国やロシアの「戦略的忍耐」という政策は、全く中身が違うのです。
軍事技術には、時にブレイクスルーがあります。
「あの国は、そういう技術はない」と見くびっていると、
とんでもないことになります。
「しまった」と思った時には、もう遅いのです。
アメリカは、朝鮮半島に関しては、8年間を無駄にしてしまいました。
後任のトランプ大統領がじたばたしても、もう遅いのです。
もう北朝鮮の野望を誰も止められないでしょう。
謝罪外交 2013 8 18
書名 いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ
著者 古森 義久 幻冬舎新書
「謝罪外交を繰り返すオバマ政権」
これは、この本では、43ページから始まる、
「オバマの謝罪外交」というところを読めば、
そう思いたくなるでしょう。
確かに、ここに掲載された一連の演説を読めば、
共和党が、オバマ氏の演説を、
「謝罪外交」とか「謝罪の旅」(外国訪問)と非難する理由があります。
著者によれば、オバマ氏は、
アメリカの従来の「あり方」には、
むしろ批判をぶつけることが多いという。
アメリカの超大国としての実績でさえも、
あえてミスや欠陥を指摘して、
事実上の謝罪をするという傾向がちらつくのだと指摘します。
これは、よく言えば、「謙虚である」と言えるでしょうが、
悪く言えば、「自虐的」と言えるでしょう。
もう少し、この本から引用しましょう。
「軍事力を忌避し、軍事力の効用を認めたがらないオバマ大統領」
オバマ大統領は、そもそも軍事力が嫌いだ。
アメリカの国政レベルでは、そんな認識がよく語られる。
これは、保守派だけからの評価ではない。
与党の民主党側にも浸透した認識だと言える。
(引用、以上)
多くの日本人は、
「なんだか、オバマ氏という政治家がわからなくなった」と思ったでしょう。
オバマ氏は、リベラルと言われる民主党の中でも、
「最も左寄り」と言われることがあります。
つまり、日本の政治家で、たとえ話をするならば、
社会党の党首がアメリカ大統領をやっているようなものです。
そう言えば、今は、社会党という政党はありませんから、
オバマ氏は、社民党の党首に近いと言えば、よくわかるでしょう。
だから、オバマ大統領と安倍首相は、馬が合わないと言えます。
安倍首相は、保守政党と言われる自民党の中でも、右派と言われています。
片方の政治姿勢が社民党の党首に近く、もう片方が保守政党の右派では、
首脳会談は、どうやっても、うまく行くはずがありません。